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数十年前にはストレスが病気の原因になるなどという概念は普及していませんでした。今では免疫についての本を読むまでもなく、病気とストレスの関係については衆知のこととなりました。強いストレスが加わると数日で胃に穴が開くともいわれていますし精神的なもので大きな禿ができたりもするわけですからストレスというものがいかに身体に与える影響が大きいかがわかります。でも、それだけ衆知となったストレスを周りの人たちが排除する生活をしているかというと疑問です。

中国にこんな話があります。
若い坊さんが、お釈迦様の弟子にしてくださいと頼んだところ、
お釈迦様は柏の葉を三枚持ってきたら弟子にしてあげると言いました。
「なんだ、そんな簡単なこと」と思ったら、お釈迦様が言いました。
「その葉は、ほんとうに幸せな家族の庭に生えている木から、採ったものでなければならない」という条件付でした。
若いお坊さんは家々を回りほんとうに幸せな家族を探しました。
そして、一生かかっても三枚の柏の葉を集める事はできませんでした

人それぞれが持っているストレスの度合いは違うとは思います。裕福な人と貧乏な人とではストレスの種類も違うでしょうし、仕事や生活、人間関係などでも与えられるストレスは違ってきます。でも実はストレスの量は人みな同じという考え方もあります。

人は皆、それぞれ違った大きさの壷を、ひとつ抱えているといいます。その壷には不満という水で満たされ、ちょろちょろあふれ出ています。誰一人として半分や八分目の人はいないのです。いつも人は、幸せになる為には何かが必要だと考えています。それが手に入った時は一時的には幸せになれるかもしれませんが、たぶんそれがずっと持続することはありません。また不満がちょろちょろとあふれ出てくるのです。アダムとイブがりんごを食べた時から人間はストレスとの戦いだったのではないでしょうか。

むかし脳内革命という本がベストセラーになりましたね。いろんな欲望が叶うと脳内モルヒネという快感物質が分泌されるのですが、それには段階があってお金や地位や名誉といった欲望より上にある崇高な欲望を叶えると無尽蔵の脳内モルヒネが分泌されるというものでした。崇高な欲望とは愛であり慈善の心、マザーテレサのような心境とでもいうのでしょう。
私たちがマザーテレサのような境地に至るのはとても難しいことですが。自分の欲望だけをかなえるための生き方から、少しでも人に与えるための生き方がストレスの無い生活に繋がると感じています。

私の現在の趣味は合唱と茶の湯の稽古です。合唱団に所属して歌うだけでなく個人レッスンのお仲間や有志の会のコンサート、大学時代の合唱部のOB会など毎月忙しく飛び回っています。また五十歳を過ぎて行った着物教室がキッカケで始めた茶の湯のお稽古も、三年間毎週欠かさず続けています。最近は気功教室にも通い始めました。主人からは趣味で動いているときはストレスを感じないかもしれないが、疲れがあとで効いてくるから程々にと言われています。

人が生きていくには何らかのストレスは必ずあります。身体のためにストレスの無い生活をなどと言われても困ってしまいます。でも余分なストレスに晒されないような工夫をしながら心が平安な暮らしを送るように心がけたいものです。


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